『食べた後にすぐ寝ると牛になる』
という言い伝え(?)を聞いたことがあるのではないでしょうか。
"牛のように太る"ということを戒めるためにこの言葉が広がったようですが(実際には行儀の悪さを戒めるため)、食べた後に寝たら本当に太るのでしょうか?
寝る前の食事に対して、
- 数時間は空けて寝ないといけない
- 食後に眠くなった流れで寝てはいけない
- すぐ寝ると、内臓に負担をかける
などなど、科学的根拠があるのか主観なのか迷信なのか分かりませんが、上記のようなことも言われがちですよね。
今回は、このような就寝前の食事に関する謎を解いていきます。
それでは行ってみましょう!
寝る前の食事に関する謎
食後は数時間空けて寝ないといけない?

よく、就寝の3時間前までに食事を済ませるべき、ということをたまに目にしますが、本当にそうでしょうか?
さらにその言葉の科学的根拠(?)のようなものに「就寝中は胃腸などの消化器官、その他の内臓が休んでいるから2~3時間は消化されるのを待って寝る必要がある」とのこと。
私もそれを信じていたので眠くても無理やり起きたりしていた時期もありましたが、改めてそのような類の論文を探してみたところ、
・・・
ほとんどありませんでした(汗)
これからされる気配すらありません。それどころか、就寝中と起きている時間ではエネルギー消費量が変わらないという研究がいくつかあった次第です。
ここで浮かび上がるのは「別に食べてすぐに寝てもいいんじゃね?」という仮説です。
というのも、例えば現在23時で、明日7時に起きなければいけない時、あと一回食事をしたいと言いう場合、食べ終わって2時間空けると睡眠時間が短くなってしまいます。これでは本末転倒な気がしますよね(食べずにさっさと寝ろと言われればそうですが笑)
今まで信じていた概念を壊さないといけないので怖いかもしれませんが、試してみる価値はありそうです。
深夜の食事は肥満につながる?

これも先ほどと同様、それらしい論文があまり見当たりませんでした。そもそも、深夜に食べると太るということ自体に根拠がありません。
例えば、
- 朝と昼を食べて夜をカット
- 朝をカットして昼と夜に食べる
それぞれに被験者を数人以上つけて一定期間継続して、『後者の方が肥満につながる人が多かった』という結果が出れば信頼して問題ないかと思います。
しかし、その研究にかかわった人たちだけの結果なので、違う人たちで実験をやるとまた変わってくるかもしれません。キリがないのですが…
では、『なぜ肥満につながるのか』ということなのですが、これは一日を通しての摂取カロリーが消費カロリーを大幅に上回っていることが原因です。カロリーが釣り合っているか、下回っているならば、夜食べようが寝る直前に食べようが関係ない、と思います。
結局のところ…

自分の体で試す。
これに尽きると思います。こういった問題は、本当に人によります。
- 人種
- 年齢
- 運動習慣
- 性別
- 骨格
- 筋肉量
- 基礎代謝
などなど挙げるとキリがないほど出てきます。いろいろなことをやってみて、あなたに合った最適解を見つけてください。所詮、科学的根拠というものは、あなた以外のものでしかないからです。
筋肉の観点から

日頃から体を鍛えているトレーニーをはじめとするアスリートは、本当に食事が大事なので、寝る前に「あと一回」と食事をとっておきたいと思うことがありますよね。
先ほど書いた通り、試したみてください。試した結果、自分の体がどうなったのかを見極める必要があります。
- 筋力
- 筋量
- 瞬発力
- 体調
- 体重
- 体脂肪(鏡で見て判断)
- 筋持久力
- そのスポーツに必要な力諸々
これらのコンディションが上がっているか、下がっているかを見て判断しましょう。
最後に
いかがでしょうか。
正直なところ、この手の研究は世界的に見てもほとんどなされておらず、この先も研究が進められる気配を感じません(汗)
ですので、あまりこういうことは過剰に気にする必要はないと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
〈参考文献〉
- 夜遅い食事と肥満との関連:英文文献を用いた システマティックレビュー
- Protein Ingestion before Sleep Improves Postexercise Overnight Recovery
- 健康と生活習慣病予防における時間栄養学の役割
- Effects of a late supper on digestion and the absorption of dietary carbohydrates in the following morning
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