男性にとっては非常に重要なホルモンである、テストステロン。
以前、テストステロンを増やす方法について記事を書きましたが、それは言わば❝行動編❞というポジションになります。
今回は食べ物に着目して、テストステロンを増やす食事について考えていきます。
それでは行ってみましょう!
テストステロンを増やす食べ物
ブロッコリー

鍛えている人にはお馴染みのブロッコリーですが、ちゃんとした理由があります。
ブロッコリーには『インドール-3-カルビノール』という物質が含まれており、これには女性ホルモンであるエストロゲンを排出してくれるという性質があります。
ブロッコリーが直接テストステロンを増やすというよりは、エストロゲンを排出することによって相対的にテストステロンを優位に立たせることができるということです。
マッチョな人たちの弁当にブロッコリーが入っているのは、このような作用を狙っているからだったんですね。
排出するといっても、あくまで余分な女性ホルモンが対象です。ブロッコリーを食べ続けたくらいで女性が男性のような見た目になるようなことはないのでご安心ください。
ニンニク

滋養強壮といえばニンニクですよね。一部では、野菜のバイアグラなどと呼ぶ人もいるようです(バイアグラを飲んだことがないので分かりませんが)。
ニンニクの強力な成分であるジアリルスルフィド(硫化ジアリル)は、テストステロンによって引き起こされる酸化ストレスを抑制し、テストステロンの代謝を促進すると報告されています。
Can garlic reduce risk of cancer? (2009)
このように、ニンニクがテストステロンに強く関わっていることを示している研究が多いのが事実です。逆に『ニンニクはテストステロンに関係ない』という研究が目につかないので、今のところは前者が優勢という感じですね。
ニンニク自体は非常に優れた食材ですが、においが気になる方はサプリメントで摂るという選択肢もあります(リアルフードの方が当然優れていますが)。個人的には翌日に誰にも会う予定がなければ遠慮なくニンニクを摂りまくるという具合です。
玉ねぎ

血液サラサラ効果があると言われている玉ねぎですが、ちょっと面白い研究を見つけたので引用しておきます。
世界保健機関(WHO)の報告によると、世界のどの州または国からも出身する最も長寿の人々である沖縄の人々は、タマネギを含む特定の野菜を習慣的にかなりの量消費していることがわかった。
そのうえ、驚くべきことに、血清テストステロンは、例えば同年齢のアメリカ人と比較して、沖縄の男性でより高いことがわかった。
これは、タマネギが男性の健康全般に影響を与える可能性があるという証拠となる可能性があります。
Testosterone in Males as Enhanced by Onion (Allium Cepa L.) (2018)
これは興味深いですよね。確かに沖縄には外国人かと思うくらい顔が濃い人がいたりするので納得です。
脂質の多い魚

脂質が多いと聞くと健康からかけ離れているようなイメージがありますが、魚は例外のうちの一つです。
フィッシュオイルというサプリメントが売られているくらい、魚には良質な脂質が多く含まれています。良質な脂質はテストステロンの分泌を促しますし、どうしてもテストステロンが出にくい減量中に積極的に魚やフィッシュオイルを摂るというアスリートもいます。
では、脂質の多い魚を挙げておきます。
サバ、サーモン、カツオ、マグロ、イワシ、サンマ…etc
鶏肉

日常的に高脂肪な食事を摂っていると、テストステロン値が下がるという研究結果が多いです。
鶏肉は様々な肉の中でも安価で、低脂肪高たんぱくな食事をつくる手助けをしてくれる食材です。
ですが、体が最低限に必要とする脂質を削りすぎると、逆にテストステロン値を下げるので、一回の食事ではナッツや卵を添えて脂質を調整するといいでしょう。
赤身の肉

赤身の肉とは、牛肉と豚肉のことを差します。赤身の肉にはテストステロンの生成に強く関与している❝亜鉛❞が多く含まれています。
亜鉛だけではなく、マグネシウム、さまざなビタミン類も豊富です。
ただ、鶏肉に比べて値段が高いので、しょっちゅう食べてはいられませんがなるべく取り入れていきたいところです。
卵

卵にも亜鉛やビタミン類が豊富に含まれています。
で、これまで卵とコレステロールの議論は散々されてきているようですが、気にする必要はないと思います。また別の記事で詳しく語りますが、一昔前まで、『コレステロールは体に悪い』という風潮がありました。自分語りになりますが、私の親なんかもその考え方の典型です。
一日に何十個も食べなければ、特に問題はないでしょう。
ナッツ

ナッツにも亜鉛やビタミン類が豊富に含まれています。ナッツ類はテストステロンの分泌を促す❝良質な脂質❞に分類されます。どの食品にも言えることですが、良質な脂質といえども、食べすぎると逆に体に悪いです。一日にひと掴み、ふた掴みくらいの量が丁度いいでしょう。
牡蠣

牡蠣は、グラムあたりの亜鉛の含有量が最も多いとされています。こちらも積極的にとりたいのですが、仕方のないことに獲れる季節にしか食べることができません。値段も安くないですが、なんとか摂っていきたいところです。
生食用なのか、加熱用なのか、しっかり確認しましょう。食べなければわかりませんが、自分は牡蠣を食べても問題がない体質なのかを見極める必要があります。食あたりには十分に気を付けて食べるようにしてください。
最後に
いかがでしょうか。
今回はテストステロン値を上げるために、食事面からのアプローチについて書きました。
ひとつだけ意識した方がいいのは、バランスよく食べることです。「面倒くさいから朝昼晩は全て鶏肉!卵!」みたいなのは良くないと思います。
この記事があなたのテストステロンを上げてくれることを願っています。
【参考文献】
- Agent for increasing testosterone level
- Novel composition to increase testosterone levels
- A potential medicinal importance of zinc in human health and chronic disease
- Vitamin A: The Forgotten Bodybuilding Nutrient
- RASSICA OLERACEA (BROCCOLI) HYDRO-ALCOHOLIC EXTRACT EFFECT ON CONCENTRATION OF LH, FSH AND TESTOSTERONE HORMONES IN MALE ADULT RATS
- Can garlic reduce risk of cancer?
- Age your garlic for longevity!
- Broccoli‐derived phytochemicals indole‐3‐carbinol and 3,3′‐diindolylmethane exerts concentration‐dependent pleiotropic effects on prostate cancer cells: Comparison with other cancer preventive phytochemicals
- The Natural Chemopreventive Compound Indole-3-carbinol: State of the Science
- 魚の脂質の特徴 と食品機能
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