こんにちは。
日本では『筋トレをやると身長が止まる』という風潮はいまだに強く根付いているようです。
しかし、本当にそうでしょうか?
結論から言うと、
そんなことはない
という考えに至りました。
今回は、
- 背は筋トレしたくらいで止まるのか
- 筋トレを始める適齢期はあるのか
- ではなぜ"筋トレ=背が止まる"が広まったのか
- プロテインはどう関係してくるか
これらについて順を追って説明していきます。
もくじ
身長と筋トレの関係性
背は筋トレしたくらいで止まるのか

『筋トレをすると身長が伸びなくなる』の真偽についてですが、まず、アメリカで行われた研究を見てみましょう。
成長軟骨は隣接する結合組織より弱いが、筋力トレーニングが発達中の筋骨格系に本質的に有害であるという認識は、臨床所見や研究結果と一致していない。
Injury Trends and Prevention in Youth Resistance Training
さらに、筋力トレーニングが小児期および青年期のあらゆる発達段階で成長に悪影響を及ぼすことを示す科学的証拠はない。
つまり、全くの迷信だということです。
私も、筋トレと身長(骨の成長)について論文を多数調べましたが、『筋トレをすると身長が止まる』などいう研究結果が出ている論文はありませんでした。
そもそも、筋トレと身長の関係性を解こうとしている論文自体が少なすぎるといった状況です。
これを言ったらお終いかもしれませんが、"身長が伸びる"ことには筋トレうんぬんでは語れないほどの様々な要素が絡んでいます。
ですので、安心して筋トレして構わないと思います。
年齢と環境

"子供"というのは、二次性徴(声変わりなど)が始まっていない状態を指します。
では、筋トレは何歳から始めていいのでしょうか?
一般的に、ほとんどの7歳と8歳の子供ある種の抵抗運動の準備ができています。
ただし、開始年齢に関係なく、すべての青少年は適切な開始時の体重、バーベル、ダンベル、およびプレートの適切な取り扱いに関する安全上の注意を受ける必要があります 。
Injury Trends and Prevention in Youth Resistance Training
つまり、器具の使い方さえ間違えなければ年齢は問わないということになりますね。
さらに、
適切なテクニック、段階的なトレーニング、そして適切なウォームアップとクールダウンを利用して、資格のあるインストラクターの監督の下で実施すれば、子供のためのトレーニングはは筋力と筋持久力を改善するでしょう
Canadian Society for Exercise Physiology position paper: resistance training in children and adolescents
今でこそ小学生がスマホを持ってネットにアクセスする時代になりましたが、子供の怪我や遠回りを防ぐために、知識を確立した大人がサポートすることが前提になります。
うさぎ跳びや高速腕立てをやっていてもほとんど何の効果も得られない可能性の方が高いのです。
なぜ『身長が止まる』と広まったのか
ここからは研究どうこうの話ではなく、多少の主観が入ってくるのですが、主に二つあると思っています。
まず、
関節や骨を潰す

これです。『筋トレが関節や骨に過度な負担をかけることで、子供の成長を阻害する』という考え方です。
先ほども書きましたが、適切な知識を持った指導者に教わることができれば何の問題もありません。
むしろ適切な筋トレよりも、うさぎ跳びなどの意味不明なトレーニングの方が子供の成長を阻害しやすいでしょう。
マッチョに背が低い人が多い

背が低い人にマッチョが多いのは、事実かもしれません。
しかし、これは筋トレでマッチョになると身長が止まってしまうのではなく、背が低い人の方がマッチョに見えやすいという現実があるからです。
突然ですが、ここに"棒"と"粘土"があるとします(想像してみてください笑)
粘土を棒に均等に伸ばして貼りつけるとします。ここで、長い棒と短い棒では最後まで貼りつけたとしてどちらが太く見えるでしょうか?
当然、短い方ですよね。ですので、背が高い人と背が低い人では、低い方がマッチョになりやすいということだったのです。
プロテインとの関係(おまけ)

もはやこの議論もバカバカしいのかもしれません。身長とプロテインに関係はあるのか、ということですが、やはり、
ない
と言わざるを得ません。
そもそもプロテインは食品なので、飲めば背が伸びるとか止まるという次元の話ではないのです。これはサプリメントにも言えることです。セノビックなど日本はよく分からないサプリメントが出回りがちですので気をつけていただきたいところです。
前に以下のような記事を書いたので興味があれば読んでみてください。
まとめ
【参考文献】
- Canadian Society for Exercise Physiology position paper: resistance training in children and adolescents
- Injury Trends and Prevention in Youth Resistance Training
- Pediatric Resistance Training: Benefits, Concerns, and Program Design Considerations
今回は、筋トレと身長について解説していきましたが、いかがでしょうか。
まとめると、
- 筋トレでは身長は止まらない
- やる場合は適切な方法と、資格を持った指導者についてもらうべき
- 背が低い方がマッチョになりやすい
- プロテインは身長には関係ない
ということでした。
この記事を読んでいただいて、存分に筋トレを楽しんでいただけると嬉しいです。
コメントを残す