尾崎豊が書いた小説について【黄昏ゆく街で】

尾崎豊のラブソングで有名なのが、『I LOVE YOU』や『OH MY LITTLE GIRL』ではないでしょうか。知らない人はいないくらい有名ですよね。

では、実質的な彼の最後のアルバムに収録されている『黄昏ゆく街で』という曲はご存知でしょうか。

実質的な彼の最後のアルバムである『誕生』に収録されている隠れた名曲です。隠れたとはいっても、尾崎ファンである人の間では知っていて当然の曲のようです。

先ほど挙げたデビュー当時の曲のシンプルさとは打って変わって、悲しさが比ではないように感じます。

そして、彼自身の手によって書かれた小説にもなっています。

今回は、『黄昏ゆく街で』の曲や小説をもとに、尾崎豊の思考を紐解いていきます。。

黄昏ゆく街で

歌詞について

尾崎は一時期、曲が生み出せないというスランプによりニューヨークに一年間滞在することになります。

歌いだしの「57番街」とは、おそらくニューヨークのマンハッタンでしょう。

壁の落書きには思い出すものもない

いつだれが描いたのかすら僕らは知らないけれど

雨に打たれ風にさらされ 時の過ぎゆくままに愛を

育んでいる二人にどこか似ていると 君の温もりの中

黄昏ゆく街で

この「二人にどこか似ている」というのは何かというと、最初の方の「壁の落書き」ですね。

相手の温もりの中で、『様々な逆境を愛で乗り越えていく二人』を『雨風を受ける壁の落書き』で例えています。

そして、『落書き』という言葉自体も綺麗なイメージは受けないですよね。

「思い出すものもなく、いつだれが描いたか知らない」というのは、私たちが普段から壁の落書きを見ても通り過ぎてしまうように、世間から見たら二人の事情など知ったことではなく、どうでもいいことであると推測できます。

触れ合えばいつもきっと 悲しみの傷みも

一筋の光の瞬きに 救われればいい

黄昏ゆく街で

「救われればいい」という表現はを最初聴いたときは少し引っかかりました。投げやりな感じがしたからです。

しかし考えてみると、相手に、もしくはお互いに解決するには大変な労力がかかる問題を抱えていているのではないか、と捉えることができます。

根本的な問題の解決になることはないと当然分かりつつも、「優しい言葉やふれあい(一筋の光の瞬き)でその場さえ凌ぐことができればいい」という意味が「救われればいい」に含まれているのではないでしょうか。

この抜粋した部分だけでもこれだけ考察ができてしまうということで、やはり尾崎の書く歌詞の深さが伺えますね。

あくまで個人的な見解ですので、違った解釈や他の部分の歌詞の考察などがあれば、ぜひ教えてください。

小説について

完全に尾崎世代ではない私は、彼が小説を書いていたことを知りませんでした。

ただ、20をそこそこ超えた青年が書くような歌詞ではないということから、小説があるということを聞いて興味が湧いていました。

「彼が描く小説がどんなものなのだろうか」と。

評価も高かったので、購入して読んでみた結果は…

とても良かった、というありきたりの言葉では言い表すことができない作りになっていました。

というのも、私が普段から小説を読まないからなのか、表現方法に圧倒されてしまいました。

車の振動に時折眉をひそめたり、反射した太陽光線のまぶしい光に溶け込んでゆく君の寝顔を僕はぼんやりと見つめながら

昨夜の一部始終を、時間の経過を行ったり来たりしながら、断片的に思い返したりしてみた

黄昏ゆく街で(小説)

小説をよく読まれる方からしたら、普通なのでしょうか?

このような表現が、最初から最後まで続くため、「うわ、すごいな」とストーリーが途中で分からなくなるくらい感心してしまいました。

まるで、一つの洗練されたポエムが結集して出来ているように思えます。

晩年の尾崎豊

彼がメディアで紹介されるときは必ず、「反抗的で攻撃的」というイメージに近い曲(初期のものが多い)が選ばれることが多いのが事実です。

実際にそれらの曲が本当に「反抗的で攻撃的」かどうかはさておき、亡くなる直前(25歳くらい)のツアーのインタビューではとても丸くなったような印象を受けます。

最後のアルバム『誕生』に収録されている『黄昏ゆく街で』をはじめとする曲たちは、大人になってしまった彼の葛藤や苦悩、真実の愛を中心に作られているように思えます。

ここまでご紹介した小説やアルバムも、彼がインタビュー語ったように、「行程表のない電車に乗るまでは(時間に拘束されて生きたくないという意味)」心強く生きていこうと思えるような作品ですので、ぜひチェックしてみてください。

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ABOUTこの記事をかいた人

20代、関東在住ブロガー。自分の人生に何の意味があるか分からず早期退職。願わくば、永遠に筋トレと読書と音楽をやっていたいと考えている今日この頃。それを実現するために日々奮闘中。 よろしくお願いします。